2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540353
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 豊 京都産業大学, 理学部, 准教授 (50378543)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 磁気共鳴 / 超伝導 / 磁束物理 / 渦糸芯 |
Research Abstract |
本研究の目的は,第2種超伝導体の磁場中混合状態における,渦糸集団励起現象,渦糸芯内の磁気的状態,試料の表面磁場がつくる磁場分布の3つの現象を系統的に区別し観測するNMR技術を開発し,様々な第2種超伝導体の渦糸芯内の量子干渉状態を観測し,その局所磁性を解明することにある。In-situとEx-situ NMRの両方の観点から基礎的なアイデアとして,低磁場NMR,ゼーマン摂動NQR法,コート材を用いた任意形状の超伝導体の表面磁場分布のNMR観測について研究を押し進め,いくつかのサイト選択的NMR法の測定技術の開発をおこなった。 この研究過程で以下の新しい発見があった。 1.酸素欠損のない単層系のCa1-xNaxCuO2Cl2の零磁場Cu NQRスペクトルに2サイト以上が含まれていることを発見し,La214系と同様な特異な電荷状態と磁気的な不均一さを観測した。混合状態がブラッググラス相である可能性も見出した。 2.三重層Hg1223の渦糸芯のCu NMR研究の過程で,超伝導秩序変数の分岐現象を発見した。Cu1223系で以前報告されて以来,電荷供給層にCuを含まない類似の系において確認が求められていたが,未確認のままであった現象である。Hg1223において確認できたことは,単位胞内に複数のCuO2面をもつ物質の電子状態の分岐の始まりを最低枚数で確認できた初の成果と言える。 3.Bi2212のCDW様な零磁場Cu NQR スペクトルの広範な分布に伴なう銅核スピン格子緩和時間の周波数分布を観測することに成功した。走査型トンネルスペクトルと比較できる初めてのNQR実験の成果と言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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