2012 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導ダイヤモンドのナノスケール電子分光:絶縁体転移近傍の超伝導と乱れの効果
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22540360
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西嵜 照和 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90261510)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ボロンドープダイヤモンド / 超伝導 / 走査トンネル顕微鏡 / トンネル分光 / ナノ電子状態 / 渦糸状態 |
Research Abstract |
本研究では,ボロンドープダイヤモンド薄膜において,極低温領域(T=0.35K)まで走査トンネル顕微/分光(STM/STS)測定を行い,金属-絶縁体転移近傍に現れる特異な超伝導,乱れの効果,局在電子状態をナノスケールの観点から明らかにすることを目的とした. 東日本大震災によって破損したSTM装置の大部分は平成23年度中に復旧を終了しているが,平成24年度にいおても引き続き測定結果を検討しながら実験装置の修復と調整を行った. STM測定の準備としてボロンドープダイヤモンド薄膜を真空中で加熱して清浄表面を準備し,そのままSTMヘッドに試料を搬送することで安定度の高いSTM/STS測定を目指した.平成24年度はTcが5K程度のボロンドープダイヤモンド薄膜を中心にSTM/STS測定を行い,原子分解能を持ったナノスケール電子分光からスペクトルの空間変化,磁場・温度依存性を詳細に測定した.特に結晶粒などの構造や微細構造と局所状態密度の同時測定を行い,結晶粒界などの構造が局所的な超伝導特性に与える影響を調べた.その結果,局所状態密度やエネルギーギャップの値がナノスケールで空間変化することが分かった.しかし,その空間変化は結晶粒界や結晶粒表面の微細構造とは一致しておらず,薄膜内部に存在する乱れの影響を受けていることを示唆している.本研究で得られた結果とこれまでに得られたボロン濃度依存性を総合して検討した結果,試料内部に存在するキャリアドーパントととしてのボロンは局所的な乱れの起源にもなっていることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)