2010 Fiscal Year Annual Research Report
銅酸化物高温超伝導体で新たに発見した80K超伝導相についての物性研究
Project/Area Number |
22540362
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉崎 亮造 筑波大学, 名誉教授 (70011137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 和男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00272170)
池田 博 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50272167)
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Keywords | 高温超伝導 / 銅酸化物 / Caドープ / 新超伝導物質 / 不均一性 |
Research Abstract |
本研究はBi系銅酸化物高温超伝導体の原点であるBi_2Sr_2CuO_6超伝導体(Tc〓10K)についてSr^<2+>を原子価の同じCa^<2+>で置換すると新しく80K超伝導相が生じることの物理的原因を見いだすことである。Caドープ量を増やしCa置換量がSrと等量(Bi_2SrCaCuO_6)になると新超伝導は結晶全体に広がり、比熱測定からもバルク効果であることが分かった。この系は、Caドープによってキャリヤー数、結晶構造などが変化せず、金属相中に80K高温超伝導が発現する、というこれまでにない新しい系である。この新しい超伝導相の物性を単結晶作製を行い、その物性を研究し、高温超伝導相発現のキイ・パラメータを実験的に解明することを目的とする。 本年度はBi_<2+x>Sr_<2-x-y>Ca_yCuO_<6+δ>について(x,y)=(0.1,0.6),(0.15,0.4),(0.15,0.5),(0.2,0.4)の4種類の単結晶作製に成功した。 それぞれの単結晶についてc軸長についてのX線回折を行い、正しい構造をしている結晶であることを確認した試料について磁化測定、比熱計測、抵抗測定塗行い超伝導の基礎物性を明らかにしてきた。 これまで作製した単結晶のX線構造解析を行ったところ、我々が作製してきたCaをドープした単結晶はBi-2201相であることを確認することができた。
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