2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540364
|
Research Institution | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
Principal Investigator |
藤原 明比古 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主席研究員 (70272458)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 有機半導体 / 分子性固体 |
Research Abstract |
本研究では、ピセンのドーピング効果と電子物性の相関を調べることを目的としている。初年度(平成22年度)は、空気中で安定な芳香族FETの作製に成功した。平成23年度は、単結晶ピセンFETによる高易動度デバイスの作製、イオン液体をゲート絶縁体に用いた低電圧駆動FETに成功した。平成24年度は、化学ドープしたピセン超伝導体の電子状態評価、圧力効果と溶液法によるピセン化合物の作成に成功した。さらに、分子性固体材料の機能可視化の手法を実材料に応用し、原理検証に成功した。具体的な成果を以下に示す。 1)ラマン散乱法による特定のモードの変化からピセン分子の電子数を定量的に評価することに成功した。非常に複雑な構造を持つピセン化合物において、物性を議論するうえで非常に重要な情報を得た。2)ピセン化合物の超伝導体において、圧力印加によって、高伝導転移温度が上昇する相と低下する相があることを発見した。ピセン化合物で観測される超伝導体の発現機構を考慮するうえで、新しい知見を得た。3)均質試料の作製が困難なピセン化合物において、均質試料を作るのに有利な溶液法での試料作製に成功した。 4)物性発現の根本的な起源となる結晶構造から、その機能起源に重要な構造的特徴を可視化する構造解析に成功し、クラスレート材料や有機硫黄分子の固体に応用し、その有用性を実証した。 以上の様に、3年間の本研究課題では、ピセンのドーピング効果と電子物性に関わる研究での直接的な研究進捗をしただけでなく、他の分子性固体、有機導体の構造、物性とそれらの相関の理解に有効な手法開発にも成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
-
[Journal Article] Synthesis and physical properties of metal-doped picene solids2012
Author(s)
T. Kambe, X. He, Y. Takahashi, Y. Yamanari, K. Teranishi, H. Mitamura, S. Shibasaki, K. Tomita, R. Eguchi, H. Goto, Y. Takabayashi, T. Kato, A. Fujiwara, T. Kariyado, H. Aoki Y. Kubozono
-
Journal Title
Editors' Suggestions
Volume: 86巻
Pages: 214507-1 - 214507-9
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Quantitative relation between structure and thermal conductivity in type-I clathrates X8Ga16Ge30 (X = Sr, Ba) based on electrostatic-potential analysis2012
Author(s)
A. Fujiwara, K. Sugimoto, C. H. Shih, H. Tanaka, J. Tang, Y. Tanabe, J. Xu, S. Heguri, K. Tanigaki, M. Takata
-
Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 85
Pages: 144305-1 - 144305-6.
DOI
Peer Reviewed
-