2010 Fiscal Year Annual Research Report
電荷フラストレーションを伴うフェルミオン系における量子ゆらぎと伝導現象
Project/Area Number |
22540372
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 教授 (00238669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
求 幸年 東京大学, 工学研究科, 准教授 (40323274)
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Keywords | フラストレーション / 強相関電子系 / 電荷自由度 / 量子ゆらぎ / 伝導現象 |
Research Abstract |
幾何学的にフラストレートした格子上の伝導電子模型を取り上げ、フラストレーションと電荷自由度・伝導現象・電子状態と秩序化などについて調べた。 1.幾何学的にフラストレートした格子上のFalicov-Kimball模型を考え、電荷配位のフラストレーションが伝導電子の電子状態や伝導特性に与える影響を明らかにした。四面体伏見カクタス格子上で厳密解が得られることを見出し、バンド絶縁体と電荷アイス絶縁体の間に量子臨界点が存在することや、異常なベキ依存性をもつ量子臨界挙動が現れることを明らかにした。厳密解の得られないパイロクロア格子やチェッカーボード格子、カゴメ格子に対しては、電荷配置に関する平均を数値的に計算する手法により (cooperative disorder potential模型)電子状態や光学伝導度を調べ、電荷フラストレーションのもとでは普遍的に電荷アイス絶縁体への転移が生じること、伝導特性は系の次元によることなどを見出した。これらは電荷フラストレート系のもつ普遍性と多様性に関する新しい知見を与える重要な結果である。 2.カゴメ格子およびパイロクロア格子上の拡張二重交換模型を考え、交換相互作用と二重交換相互作用の競合による電子状態の変化について調べた。まず、この系の状態を計算するためのモンテカルロ法アルゴリズムを開発した。これを用いて、有限温度における電子状態や秩序形成について調べた。
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Research Products
(18 results)