2012 Fiscal Year Annual Research Report
電荷フラストレーションを伴うフェルミオン系における量子ゆらぎと伝導現象
Project/Area Number |
22540372
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 教授 (00238669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
求 幸年 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40323274)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | フラストレーション / 強相関電子系 / 電荷自由度 / 量子ゆらぎ / 伝導現象 |
Research Abstract |
スピン電荷結合系の基本的なモデルのひとつである近藤格子模型をフラストレーションのある格子上で考え、その磁性と電子状態について主にモンテカルロ法や変分計算といった数値計算を用いて調べた。まず三角格子系については、電荷秩序を伴った部分無秩序状態を見出し、その発現機構がスレーター機構であることを示した。また、3副格子フェリ磁性状態において、ハーフメタル的なディラック電子状態が実現することも明らかにした。カゴメ格子系においては、カゴメアイスと呼ばれる状態において磁気秩序がないにも関わらず電荷ギャップが開き、量子異常ホール絶縁体が実現することを見出した。パイロクロア格子系についても調べ、電荷秩序を伴った新しい32幅格子秩序相を見出すとともに、その電荷秩序パターンが外部磁場によって制御出来ることを示した。これらの研究を通じて、こうしたフラストレート伝導系において、磁性と電子状態の絡み合いによって、特異な電荷秩序や電子状態が発現するメカニズムを明らかにした。 電荷秩序のフラストレーション系を表すモデルとして、異方的三角格子反強磁性イジング模型を取り上げた。磁性系とは異なり、電荷系の相互作用は比較的長距離に及ぶことから、最近接相互作用だけでなく次近接相互作用を取り込むことが重要である。最近接相互作用だけを持つ模型は古くから調べられており、有限温度ではフラストレーションのために偽一次元化し、キンク励起による無秩序相を示す。しかし、我々の研究により、次近接相互作用の導入により系は有限温度においてキンク励起そのものが准長距離秩序化することに伴う Berezinskii-Kosterlitz-Thouless転移を示すことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)