2010 Fiscal Year Annual Research Report
流れと振動による粒状体界面の変形とメソスコピック物理の構築
Project/Area Number |
22540384
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐野 理 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80126292)
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Keywords | 粒状体 / 密度波 / 流動化 / 固液相転移 / 界面変形 / 空洞崩壊 / 浸食 / メソスコピック |
Research Abstract |
凝集性のない高数密度粒子集合体であっても,流れや振動により特徴的な集団運動が引き起こされることがある.本研究では,個別粒子のミクロな物性とマクロな連続体的挙動の関係や,固体と流体の遷移過程などの中間領域を埋める物理の構築を目指している.本年度は,研究実施計画に記したそれぞれのテーマについて以下のような研究の進展を見た.(1)粒状体を容器に入れて鉛直加振したときの構成粒子の挙動と界面変形の関係を高速度ビデオにより観測した.精密な粒子位置計測をもとに,粒子層内での個々の粒子の相対変位を再構成した結果,粒子衝突に伴う密度波の存在を確認した.とくに,厚みのある粒状体の層では,その下層部で密度波の伝播速度が大きくなっており,密度波の波面は水平に伝播するとともに上方に曲がり,上層部表面に到達して周期的なカスプ状の界面を生じることを明らかにした.これらの成果は2編の原著論文および国際学会の招待講演で公表された.(2)粒状体界面近傍の粒子が流れによって運ばれ,界面が変形・移動する砂漣について,特徴的なパターンの抽出およびその時間空間変動について精密観測を行った.とくに,砂漣の発生条件や規則性について,粒子の大きさや流れの強さに対する依存性を調べ,砂漣成長モデルを提案した.この成果は1編の原著論文として公表された.(3)粒状体界面に渦輪を衝突させたときに生じる筋状および斑点状の凹みパターンの存在条件を明らかにし,その発生機構を探った.この成果は現在2編の論文として投稿中である.(4)不均一な分布をもつ粒状体中に一定の圧力差で粘性流体を流し,内部に発生する流路形成を観測した.この結果を数値シミュレーションで再現するモデルについて国内外の学会で発表し,また原著論文として印刷公表中である
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Research Products
(7 results)