2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しい特異格子系における長波長音響フォノンの局在の研究
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22540385
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
合田 正毅 新潟大学, 自然科学系, 名誉教授 (60018835)
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Keywords | 特異格子系 / 放物型分散曲線 / 長波長音響フォノン / アンダーソン局在 / 音波の絶縁体 / 音響絶縁体 / 伝達行列 / QR法 |
Research Abstract |
本研究は、申請者が提案している放物型分散曲線を持つ特異格子系について、不規則性によるアンダーソン局在が最も起こりにくいとされる長波長音響フォノンが特に局在し易くなることを、理論予測に基づいて、大規模な数値実験により検証しようとするものである。 3年次計画の2年度にあたる平成23年度は、初年度に開発された高効率数値計算プログラムを用いて、先ず1次元特異格子系について低振動数音響フォノンのアンダーソン局在を確認して、平成23年秋の日本物理学会(富山)で報告した。さらに2次元特異格子系について、充分長い帯状の準1次元系(帯幅W)の波動の伝達行列の正の最小リャプノフ指数γ(K,ω,W,L=∞)を多数のばね定数K,振動数ω,W,充分大きな長さL1に付きQR法により数値計算した。しかし、残念ながら、2次元系を実現するためのγ(K,ω,W,L=∞)によるWに関するサイズスケーリングの結果は、γ(K,ω,W=∞,L=∞)の値が数値計算の精度の限界を少し超えた10^-5のオーダーであることが明らかになりつつある。その結果、本報告書の時点で、2次元特異ランダム系について、γp-ωpの関係が得られるまでに、至っていない。 最終年度に当たる平成24年度では、2次元系でのγp-ωp関係を明らかにするとともに、3次元系について、2次元系と同様な計算を角柱状の準1次元系(角柱幅S)について行い、この研究の総括につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数値計算による擬1次元系の波動の減衰率(リャプノブ指数)γ(Kω,W,L=∞)の計算精度は2桁出ているが、W->∞でγの数値が小さくなるために、それに基づく最小乗法によるγ(K,ω,W=∞,L=∞)の計算精度が出せていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)2次元および3次元特異ランダム格子系について、音響フォノンが局在傾向を持つことを数値的に確認する。 2)特に、3次元系も1,2次元系と同様な状況になるか否かを、角柱状の擬1次元系について、確認する。 3)γの計算の精度を1桁程度上げるために、擬1次元系の長さLを現行の10^5~10^6の10倍にするか、サンプル数を現行の10の10倍にするなどの努力をする。莫大な計算時間を企画する。
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Research Products
(1 results)