2012 Fiscal Year Annual Research Report
空間的住み分けをし空間的な自己相似性を持つ多スケール乱流への力学系的アプローチ
Project/Area Number |
22540386
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤 定義 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10217458)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 乱流 / 力学系 / 厳密解 / 多スケール / フィルター |
Research Abstract |
本研究では、多重スケールの物理現象を力学系的な立場から理解することを研究課題とした。中でも、乱流現象を対象としている。中心テーマである壁乱流においては、壁に垂直な方向に、壁付近の粘性が支配的で乱れ生成を起こす内層(壁近傍層:粘性低層とバッファー領域)と中央領域である外層にスケールが異なる流れが存在し、その重なり領域において自己相似的な対数層が発達することが知られている。空間的に異なるスケールの現象が共存し住み分けしている。また、乱流層流遷移においては、乱流斑やパフと呼ばれる局所的に乱流化した領域が存在する。 内層の乱れ生成過程は、数値的な厳密解によって記述できることが明らかになってきた。これと同様な力学系的な見方が、発達した乱流における外層や乱流斑など空間的に局在した厳密解によって記述できることが期待される。本研究においては、空間的に局在したフィルターを基礎方程式に加えることで、空間的に局在した解を求める手法の開発を行なった。1次元の非線形方程式系に対して、定常進行波タイプの解を求める基本的な手続きを完成させた。現在この手法の多次元系への拡張を行なっている。 乱流におけるエネルギーやパッシブなスカラー拡散などの輸送現象は、従来自己相似的な状況下でモデル化されてきた。しかし、2次元エネルギー逆輸送系においては、渦局在構造の存在がエネルギーの非局所的な輸送を引き起こし、普遍性を破ることを示した。更に、せん断層の形成が速い拡散を行う粒子対を支配する結果を得た。これらの現象は局在した構造が系の普遍性を破ることから、その力学的な振る舞いが乱流輸送現象を理解する上で重要であることが明らかした。また、その力学系的な振る舞いや理解の解明の端緒を開く結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)