2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540390
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
樋口 克彦 広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (20325145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 雅彦 信州大学, 理学部, 教授 (10292202)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 対密度 / 対密度汎関数理論 / 電子相関 / 運動エネルギー汎関数 / 交換相関ホール |
Research Abstract |
対密度汎関数理論においては、運動エネルギーを対密度の汎関数として如何に与えるかが課題の一つとなっています。本年度は、昨年度より進めている運動エネルギー汎関数の結合定数積分表示を利用した運動エネルギー汎関数の近似形の開発をさらに進めました。 結合定数積分表示を利用した近似形は、相互作用のない系における運動エネルギー(Ts)に相関エネルギー(Ec)による補正を加えた形をしています。昨年度は、手始めとしてTsとしてThomas-Fermi(TF)汎関数、EcとしてDFTの局所密度近似(LDA)を用いましたが、今年度は、TsとしてTF汎関数のほかにGauss関数モデル(GM)とThomas-Fermi-Weizsacker(TFW)汎関数を、EcとしてLDAのほかにPerdew-Burke-Ernzerhof(PBE)汎関数を用い、合計6種類の近似形の評価を行いました。評価には、本研究課題で開発したスケーリング法を用いました。TFやGM汎関数の代わりにTFW汎関数をTsに用いることで、運動エネルギー、ポテンシャルエネルギー、電子間相互作用のエネルギーの誤差はいずれも低減することが確認できました。またLDAやPBEによるEc補正項により、運動エネルギーの2種類の誤差(厳密な基底状態の対密度を近似形に代入しても生じてしまう「近似形自身の誤差」と、「対密度の誤差によって生じる運動エネルギーの誤差」)が共に減少することが明らかとなりました。また、対密度の空間分布を直接的に表す交換相関ホールの形状も、TFやGM汎関数の代わりにTFW汎関数をTsに用いることで大きく改善されることがわかりました。 さらに、N表示可能な対密度の探索範囲の拡大を目指して、スケーリング法を改良した複数のシード対密度を用いた新しいスケーリング法の開発も行いました。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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