2010 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
22540398
|
|---|
| Research Institution | Aoyama Gakuin University |
|---|
Principal Investigator |
松川 宏 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20192750)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 道夫 青山学院大学, 理工学部, 助教 (30456751)
川口 高明 山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (10273913)
|
|---|
| Keywords | 摩擦 / トライボロジー / ピン止め / 粉体 / 地震 |
|---|
| Research Abstract |
固体間の滑り摩擦は古くから調べられてきたが、多くの基本的な問題が未解決である。本研究は、現代物質科学・技術の成果をもとに新しい視点から、様々な分野における多様な系・スケールの摩擦機構の研究を有機的に繋げ、ナノスケールからマクロスケールにわたる現象の階層性を正しく取り込み、摩擦の普遍性と多様性の機構を明かにすることによって、摩擦の基礎白生・統一的描像を確立することを目的としている。
この目的を達成するため、平成22年度は主に1.粉体の摩擦の実験的・理論的研究、2.弾性体の摩擦の数値実験をおこなった。
1.粉体の摩擦の実験的・理論的研究
2つの物質問に、潤滑剤などの介在物がある場合の摩擦はナノからマクロまで様々なスケールの舞台で現れ、スティック・スリップ現象など多様な振るまいを示す。この介在物を含んだ摩擦現象のある側面は、固体表面間に粉体を挟んだ系でモデル化することが可能である。アルミナボールを用いた実験を行い、駆動バネが固く、駆動速度が遅い場合、スリップのサイズ分布が地震と同じ冪乗則に従うことを明らかにした。また、2次元モデルの数値計算も行い、やはりスリップサイズのサイズ分布が同じ冪乗則に従うことを示した。実験・理論とも冪乗則の冪の値は駆動速度に依存する。
2.弾性体の摩擦の数値実験
基板上の物体に外力を加えたとき、外力が最大静摩擦力に達すると物体は滑り出す。この最大静摩擦力はなにで決まるのか、滑り出すときはどのように動くのか、は摩擦の基本的な問題である。我々は後ろから外力でおした弾性体の数値実験を行い、外力の増加とともに、後ろから複数のスリップパルスが走り、この到達点が次第に前進し、これが前方の端に達したとき、系全体が滑ること、系全体の摩擦係数は局所的な摩擦係数より小さくなることを明らかにした。
|
