2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間反転対称性が局所的に破れた物質群が示すガラス的物性の起源と機構
Project/Area Number |
22540404
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 恒義 北海道大学, 名誉教授 (80002236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼下 英司 仙台高等専門学校, 准教授 (60548212)
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Keywords | THzダイナミックス / 内包系物質 / クラスレート |
Research Abstract |
局所的に対称性が破れた物質群が示すガラス的物性は最近、有効な熱電変換物質として期待されている。それにはガラス的な熱伝導を示すことが必要条件とされている。THzダイナミクスの特異な性質に起因するガラス的熱伝導の起源について研究する。これまで非線形性が強いポテンシャルにトラップされた原子に関係する特異な物性に関する研究において、単一の非線形ポテンシャルの中の原子の運動が主に注目され、原子間の相互作用の効果は考慮されることはなかった。しかし、これらの原子がもしそれぞれ独立に運動するなら、原子達は擬似的な気体を構成し対称性が高い状態をとることになり、これらの諸物性はトラップされた原子の配置には寄らないことが予測される。しかし低温での熱電物質クラスレートに関する実験事実は全く違う結果を示す。それは何に起因するのかを解明するに向けて本年度は研究を行い有益な結果を得た。まずオフ・センターとオン・センターの位置に対称性が破れた非線形ポテンシャルにより束縛された原子に着目し、この違いに起因するTHzダイナミックスを明らかにした。これによりオフセンターにゲストイオンを含む系に対して一般的に成立する理論式を立てた。特にオフセンターゲストイオンは長距離相互作用の原因となるダイポール・モーメントを誘起し、互いに強く相互作用することが分かった。また、中性子散乱の実験グループと密接な連携を取り予備的な実験に対して理論的側面から協力した。
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Research Products
(10 results)