2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540411
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
光永 正治 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90332882)
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Keywords | 電磁誘導透過 / パラメトリック増幅 / 誘導ラマン散乱 / 4光波混合 / 飽和吸収 / マッチトパルス / 超低速伝搬 / 相関光子対 |
Research Abstract |
ナトリウム原子のD1線(3S1/2-3P1/2線、589.6m)をモデルに、強いポンプ(カプリング)光と弱いプローブ光を入射した場合のプローブ光の伝搬の様子を、CWの場合とパルスの場合で解析した。プローブ光とカプリング光が2光子共鳴条件を満たす場合、カプリング光強度と原子密度の条件により、系は電磁誘導透過(EIT)、あるいはパラメトリック増幅(PA)を示す。PAの場合には、新たなストークス光の発生を伴う。この振る舞いは、3モード4準位系のLiouville方程式とレート方程式をマックスウェルの伝搬方程式と連立させることで、理論解析することができた。カプリング光は十分大きいとして減衰は無視し、またドップラーによる不均一分布を考慮した。さらに個々の双極子遷移強度を実際に代入した。数値解析によるプローブスペクトルは、実験結果をうまく再現することができたばかりか、数々の新たな現象を予測することができ、今後の実験に対しての指針を与えるものである。例えば、2つの1光子共鳴により生じるhalf resonanceの存在の予測や、EIT共鳴ヒークのシフトと分裂の予測、等がこれに当たる。これらの結果をまとめて、Phys.Rev.Aに投稿した。また、プローブスペクトルをプーリ土変換することで、弱励起領域から強励起領域に至るプローブパルス伝搬の様子が解析でき、また、プローブとストークスが作るマッチトパルスの伝搬の様子も探ることができると期待される。
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Research Products
(2 results)