2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540411
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
光永 正治 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (90332882)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非線形光学 / 電磁誘導透過 / サブレベルコヒーレンス / 誘導ラマン散乱 / パラメトリック増幅 / ラマンラムゼーフリンジ / ラムダ型3準位系 / シュタルクシフト |
Research Abstract |
本年度は、ラムダ型3準位系における量子干渉効果の最も重要な要素である基底状態超微細準位間のコヒーレンスの挙動を詳細に解析するため、電磁誘導透過(EIT)とラマンラムゼーフリンジ(RRF)の実験を主に行った。EITの実験状況下で、2光波(プローブ光とカプリング光)をパルス化し、その立ち上がりの透過率のみをモニターすることでRRFスペクトルが得られる。RRFはEITに比べ、いくつかの優れた特徴があることがあり、第一に信号ピークが励起光の強度に依存しない。(EITの場合、acシュタルク効果により、ピークが励起光強度とともに高周波数側にシフトする。)第二に、EITのときに見られる励起光による飽和広がりは観測されず、フリンジ幅は励起光パルスの間隔のみに依存するので、原理的に、極めて狭いフリンジピークを作ることも可能である。また、リウヴィル方程式を用いた理論解析もこれらの結果をサポートした。これらの結果は、米国雑誌に発表された。(Phys. Rev. A87, 023836 (2013))。さらに、RRFのスペクトルを観測しながら、第二のacシュタルクシフトのためのレーザーをパルスの形で照射することで、シュタルクシフトの励起強度依存性、励起波長依存性、パルス幅依存性、パルスタイミング依存性等をシステマティックに調査することができる。結果は、ほぼ理論の予測通りとなり、シュタルクシフトは、励起光パルス間隔内にあるシフト光のパルス面積(パルスパワーとパルス幅の積)のみに依存することも確かめられた。このように、RRFは、原子に与えられる極めて小さな摂動を高感度、高精度で、簡便にモニターするための有力な手法であることが実証された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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