2012 Fiscal Year Annual Research Report
トラップされたフェルミガスのBCS-BECクロスオーバー領域における超流動揺らぎ
Project/Area Number |
22540412
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大橋 洋士 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60272134)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | フェルミ原子ガス / 超流動 / BCS-BECクロスオーバー / トラップポテンシャル / 擬ギャップ / 超流動揺らぎ / 強結合効果 / 非一様性 |
Research Abstract |
トラップされたフェルミ原子気体のBCS-BECクロスオーバー領域における擬ギャップ現象の研究を,実施計画に従って行った。超流動揺らぎに伴う強結合効果は強結合T行列理論の枠組みで取り扱い、トラップポテンシャルについては局所密度近似(LDA)を用いた。前年度の研究で得られた、“トラップポテンシャルにより生じた空間的非一様性に起因するシェル構造”(超流動秩序パラメータが支配的なガス中心部の周りに超流動揺らぎに因る擬ギャップが顕著な領域が存在し、更にその外側に自由フェルミガスに近い領域が現れる。)を加味したうえで、JILAにより開発された光電子分光スペクトルの超流動転移温度以下での温度変化をBCS-BECクロスオーバー全域で計算した。中間結合領域では、シェル構造を反映し、温度が下がるにつれスペクトルの構造が擬ギャップ的なものから、超流動ギャップ的な構造に連続的に移行することを明らかにした。また、同様の枠組みで圧力についても計算、擬ギャップの存在を加味した理論で実験結果を定量的に説明できることを示した。これまで、圧力の実験結果はフェルミ液体で良く説明できることから擬ギャップの存在を否定するものと考えられてきたが、本研究成果により、光電子分光と圧力の実験は共に擬ギャップの存在と矛盾しないことが明らかとなった。また、スピン帯磁率の実験結果についても同じ理論的枠組みで矛盾なく説明できることを示した。 本研究では更に、上記の理論を2次元系に拡張、強結合効果とトラップ効果を3次元の場合と同じ枠組みで考慮した理論を用いて、光電子分光スペクトルの解析を行った。計算結果はフィッティングパラメータなしで、観測された擬ギャップサイズを定量的に説明することに成功、これは、本研究で用いてきた強結合理論の妥当性を示すものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] R. Watanabe, S. Tsuchiya, and Y. Ohashi2012
Author(s)
Strong-coupling effects on photoemission spectra of two-dimensional Fermi gases in the BCS-BEC crossover
Organizer
23th International conference on atomic physics (ICAP2012)
Place of Presentation
Ecole Polytechnique, Palaiseau, France
Year and Date
20120726-20120726
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