2012 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場中における分子プラズマの構造と反応ダイナミクス
Project/Area Number |
22540413
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
木村 恭之 同志社大学, 理工学部, 助教 (10399412)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高磁場 / ランダウ準位 / 分子 / レーザー分光 / 角運動量 |
Research Abstract |
原子や分子では、核からのクーロン力で、電子が核を周回している。クーロン力を超える大きさのローレンツ力が電子に作用する高磁場中に原子や分子がある場合、ローレンツ力により電子の軌道が決定され、核の周りを電子がサイクロトロン回転するランダウ準位が出現する。原子のランダウ準位の実験報告は数例あるが、分子の実験研究は世界的に本グープのみで行われている。分子のランダウ準位の興味は、核の周りをサイクロトロン回転する電子の角運動量と核の回転の角運動量のカップリングの機構と、サイクロトロン回転する電子が核と衝突して核が励起される「N+チェンネンル相互作用」の機構である。ランダウ準位のエネルギー構造の解析によりこれらが決定できる。 昨年度は、リドベルグ電子の古典軌道計算と、ランダウ準位を経由した光電離断面積の測定結果との比較から、角運動量のカップリング機構を暫定的に決定した。本年度は、リドベルグ電子の軌道角運動量と核の回転がカップリングして全角運動量が形成される(coupled Hund' s case (d))カップリング様式と、両角運動量が独立に外部磁場により量子化される(uncoupled Hund' s Case (d))様式の2つを想定し、反磁性ハミルトニアンの行列要素等を計算し、ランダウ準位のエネルギー構造を量子力学計算した。これと実験結果との比較から、電子と核とのカップリングは高磁場により解け(uncoupled Hund's case (d))、ランダウ準位の電子状態中の「p性」により電子が核を貫き、核の回転が励起されていることを実証した。核の励起状態とランダウ準位の電子状態の間に一対一の対応があることを求めた。また、ランダウ準位中のリドベルグ電子の核の周りの空間分布と昨年度の古典軌道の空間位置が一致することを確認した。分子ランダウ準位の核の状態まで決定したのは世界初である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)