2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540416
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
折原 宏 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30177307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長屋 智之 大分大学, 工学部, 教授 (00228058)
羅 亮皓 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (00421991)
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Keywords | 非平衡定常ゆらぎ / 液晶 / コロイド / 配向ゆらぎ / 動的光散乱 / 相互相関関数 / ブラウン運動 / せん断流 |
Research Abstract |
液晶に定常せん断を印加したときに出現する非平衡定常状態における配向ゆらぎと応答関数を測定するための手法の開発とそれを用いたゆらぎの測定を行ない、非平衡定常ゆらぎの性質を解明することを目的とする。昨年度までに、1)ネマチック液晶に定常せん断を印加し、さらに微小交流電場を印加することによって非平衡定常状態における配向ゆらぎの応答関数を測定することに成功し、2)せん断流下における微粒子のブラウン運動の研究では、新たな解析方法を考案することによって、異常拡散を見出している。本年度はこれらを以下に述べるようにさらに進展させた。 ネマチック液晶の配向ゆらぎの研究においては、測定方法を改良することによって高精度な測定が可能となったので、高せん断速度領域までの応答関数の測定を行なった。その結果、高せん断速度側では応答関数の周波数依存性がデバイ型から大きく外れることが分かった。流れの速度勾配テンソルの反対称部分を起源とすると思われる非保存力を考慮したモデルから応答関数を計算し、実験データと比較したところ、良い一致がみられた。せん断流下でレーザートラップされた微粒子に対しては非保存力場の研究があるが、液晶のような連続体では初めての研究例となる。 せん断流下のブラウン運動に関しては、振動流を用いた研究を本年度行なった。振動流下においても一定せん断流下同様に拡散の振る舞いが変化するが、後者では位置の平均自乗変位に時間の3乗の項が加わるのに対して、前者では時間に比例する項の係数(拡散定数)が変化する。ランジュバン方程式からこれを定量的に導出し、実験的に検証した。印加交流せん断歪みの振幅および位相依存性に至るまで実験と理論の良い一致がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画(ゆらぎの測定装置の製作およびそれを用いた非平衡ゆらぎの測定)はほぼ順調に進んでおり、その上ブラウン運動に関しても成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本計画は順調に進んでいるので、本年度の交付申請書に沿って研究を行なう。問題点はない。
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Research Products
(14 results)