2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540417
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
野々村 美宗 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50451662)
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Keywords | 触覚 / 摩擦 / 皮膚 / 認知 / 感情 |
Research Abstract |
ヒトがモノに触れた時に人体に加わった外部刺激が触覚を生み、感情を喚起するプロセスに関する物理モデルを構築する。特に皮膚上で起こる界面現象を摩擦評価システムと高速撮影システムを用いて手触り発現プロセスを詳細に観察、感覚や感情との関係を解析する。本研究はヒトの心で起こる心理現象を物理的手法を用いて解析し、皮膚上で起こる界面現象がモノの認知に結びつく基本原理の解明につなげようとする取り組みであり、医療・福祉ロボットの創出にも結びつくであろう。本年度の成果は以下の通り。 (1)水の手触りの物理的起源の解明:ヒトがさまざまな液体に触れた時に喚起される触感を評価し、指先に加わった物理的刺激との関係を解析した。その結果、水の手触りの特徴はキュキュっと感であり、この感覚は皮膚に加わる間歇的なせん断刺激によるものであることを確認した。また、有限要素解析によるシミュレーションにより、マイスナー小体とパチニ小体という二種類の触覚受容器の関与が示唆された。 (2)生体由来の物質の触感と感情喚起:毛皮、木などの生体由来の物質の手触りを評価し、触刺激によって喚起される感情を明らかにした。触対象の表面構造と摩擦特性が最も重要な因子であることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)