2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境制御型透過電子顕微用を用いた生体高分子の直接観察法の開発
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22540418
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
箕田 弘喜 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20240757)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境制御TEM / 生物分子 / 位相差法 |
Research Abstract |
当初、ガスフローシステムと接続可能な環境制御ホルダーを開発したが、得られた分解能は10nm程度と、本研究課題で要求される水準と比較した場合、十分とは言えず、問題があることが明らかとなった。そこで、簡単な連続体の試料モデルを使い、位相板フィルターと、水分子やガス分子による散乱効果を取り入れた像計算プログラムを用いて、得られる分解能を検討したところ、2nm程度の分解能が期待できることが結論された。 そこで、上記従来方式のガスフローシステム接続型の環境制御セルとは別に、完全に封じ込めるタイプのセルを開発した。この環境セルは、近年よく利用され、一部は海外のベンチャー企業が販売しているSiN製の環境セルとは異なり、従来から我々利用してきた炭素薄膜を利用した環境セルである。ガスフローシステムとの接続型と異なり、数百マイクロメートル厚さの循環ガスによる散乱の効果がないので、像のボケが小さくなることが期待できる。この製作は独自アイデアにより開発し、この新しい環境制御セルの開発に成功した。これを用いることで、液中試料に対し、2nm以下の分解能を実現した。また、このセルは、炭素薄膜を利用しており、SiNのセルと比較して電気伝導度が高いことから位相板との併用が可能で、生物試料の高コントラスト観察に適していることも明瞭となった。SiNの環境セルは、導電性が低く、帯電しやすいことで、試料周りに帯電状態(領域)が局所的に形成されることにより電子線が曲げられ、位相板のセッティングがほとんど不可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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