2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540422
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Research Institution | 東京都市大学 |
Principal Investigator |
岩松 雅夫 東京都市大学, 共通教育部, 教授 (20201345)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 核生成 / 不均一核生成 / 複合核 / ぬれ / ダイナミクス |
Research Abstract |
現実の核生成と成長は多くの場合、表面や不純物を介して生じる「不均一核生成」であり、環境の影響を受ける。平成22-23年度は分子間力がある環境、特に平らな基盤上で生じる不均一核生成の問題と球形の不純物のまわりで生じる不均一核生成の問題の2つを中心に研究を行った。特に、不均一核生成とぬれ転移の問題を統一的にとらえ、マクロな世界での「ぬれ」現象がミクロスコピック、あるいはメゾスコピックな尺度では不均一核生成となることを指摘するとともに、球形不純物のまわりで生じる不均一核生成の問題を準安定状態を中間状態にもつ「複合核」の核生成の問題として定式化した。 平成24年度は核生成の「ダイナミクス」を多次元空間でのFokker-Planck方程式を用いて定式化し、多次元空間に臨界核に対応する複数の鞍点がある場合の核生成頻度の公式を導き、これが良く知られている電気抵抗の直列と並列の公式と相似形となることを示した。さらに、これを発展させ、これまで知られていた定常核生成の確率流の鞍点での流れの方向を決めるための公式を拡張し、準安定状態を経由する多段階の核生成に対応できる公式を定式化した。また、これら臨界核の定常状態の研究にとどまらず、Fokker-Planck方程式を用いて臨界核のその後の成長のシナリオも理論的に定式化し、これまで直観的に信じられていた多段階の核生成が多段階の活性化に対応するという描像は必ずしも正しくないことを明らかにした。これらの結果は、複合材料や生体材料など中間物質を介して生成される複雑な材料の核生成現象を整理する上での有用な公式であり、今後、工業的にこのような生体材料の生成する場合などでも有用な指針の一つとなるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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