2012 Fiscal Year Annual Research Report
海溝型地震研究に向けた海底測地・地震観測のための海底圧力・地震計の開発
Project/Area Number |
22540428
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 教授 (90242172)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 海底圧力・地震計 / 高精度圧力計 / 海底上下変動観測 / 広帯域観測 |
Research Abstract |
海溝型地震の予測・予知のためには、繰り返し地震を発生している領域であるアスペリティや地震を発生せずに滑りを起こしている領域(非地震性滑り域)の空間分布を精度良く明らかにする必要がある。そのためには、直上である海底において地震波の帯域から測地帯域までの観測が必要である。地震波帯域では、広帯域海底地震計による観測が実現しており、数百秒から数ヶ月にわたる帯域での海底の上下変動を観測するためには、高精度の水晶発振子を用いた圧力計が適している。さらに、圧力計は短い周期まで観測可能であり、津波計としても利用可能である。そこで、現在使用されている長期観測型海底地震計に、圧力計を付加することにより、地震波の帯域から測地帯域までの超広帯域長期観測を可能とする海底地震計を開発することを目的とした。平成22年度には、使用する圧力計センサーを、机上選定した後、導入・評価を行った。その結果、圧力変動計測に関して十分な分解能を有していることが確認された。さらに、記録を行うレコーダの開発・改良を行った。その後、圧力計センサーの海底地震計耐圧容器への取り付け方法の検討及び記録システムの設置方法について検討・設計を行い、試作機を開発した。海底圧力・地震計は、複数台製作したのち、観測データを取得するために、平成23年度から平成24年度までに、1年間の観測を、南海トラフにおいて、2回実施した。海洋潮汐を良好に記録していると共に、観測中に発生した平成23年東北地方太平洋沖地震の地震波および津波が記録された。また、東北地方太平洋沖地震の余震観測にも、開発した海底圧力・地震計を用いた観測を実施し、本震後の震源域の上下変動を観測することができた。本研究により開発された海底圧力・広帯域地震計は、現在観測に利用されており、ほぼ実用化の段階に達したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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