2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540436
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邊 了 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (30262497)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 地殻・マントル物質 / 鉱物 / 弾性定数 / 共振法 / 温度依存性 |
Research Abstract |
(1)新たな試料整形法の導入 平成22,23年度は異方性鉱物を直方体に整形し,共振法によって弾性定数の推定を行ってきた。この手法は,固有周波数の理論が比較的単純である反面,鉱物の方位決めに特殊な装置(X線プリセッションカメラ)が必要であり,整形が大変難しいという難点がある。計算技術の進展により,異方性球の固有周波数の計算が容易になってきた。そのため,鉱物試料を球に整形する方が得策であると判断した。平成24年度に試料整形のための装置を導入し,球試料の整形が可能になった。 (2)クロミアンスピネルの弾性定数とその温度依存性 前年度までに構築した高温共振法測定システムを用いて,クロミアンスピネルの弾性定数の温度依存性を求めた。クロミアンスピネルは直方体に整形した。周波数4-9MHzで16個の振動モードに対応する固有周波数を求めた。固有周波数の計算には,直方体からのわずかなずれを考慮するために有限要素法を用いた。有限要素法の導入により,理論値と実測値の一致は大幅に改善し,弾性定数c11,c12,c44は,常温でそれぞれ264(3), 154(3), 142.6(2) GPaと求められた。これらの結果は日本地球科学連合2013年大会で発表する予定である。 高温球共振法測定システム,球試料の整形法,異方性球の固有振動数計算法を確立したことにより,ほぼルーチン的に鉱物の弾性定数およびその温度依存性を求めることが可能となった。今後は主要な地殻鉱物についてデータを蓄積し,任意の組成,温度における岩石の弾性定数を求めることを可能にする予定である。これにより,観測された地震波速度からの地殻流体のマッピングの精度を向上させることができるはずである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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