2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22540439
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中川 義次 神戸大学, 理学研究科, 教授 (30172282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今枝 佑輔 東京工業大学, 理工学研究科, 科研費研究員 (50372652)
松田 卓也 神戸大学, 理学研究科, 名誉教授 (20026206)
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Keywords | 木星 / 太陽系起源 / 惑星形成 / 系外惑星 / 原始惑星系円盤 |
Research Abstract |
巨大ガス惑星が原始惑星系円盤中に生まれると、原始惑星と原始惑星系円盤は互いに重力的に相互作用を始める。この潮汐相互作用により原始惑星系円盤内の密度構造と速度構造は変化する。この密度速度構造の変化は一般には複雑な時間進化を示すが、これを様々なパターン速度を持った変化モードの重ね合わせとして表現することを考えた。星・惑星形成過程が進んで、ガス惑星の質量が原始惑星系円盤の質量に比べて十分小さくなった時点では、このような扱いは妥当である。さらに様々な変化モードのうち、永年進化に相当するモードに着目して時間発展方程式を導いた。この時間発展方程式は、強制振動項をふくむ時間発展型のシュレディンガー方程式に帰着される。このシュレディンガー方程式を、開発した大規模行列反転プログラムを使って解き、様々なガス円盤や巨大惑星モデルに適用した。その結果、巨大惑星の質量が大きいほど、惑星の軌道離心率が大きいほど、またこれらのモデルパラメータから求められる変化モードのパターン速度が0に近いほど、原始惑星系円盤内に大きなm=1の密度・速度構造を生じることがわかった。これらの変化は恒星-惑星系周りの永年進化がその原因である。従ってこの密度・速度構造は公転周期程度のタイムスケールではほぼ定常であり、より長い時間をかけてゆっくりと変化する。 これらの結果はIshigaki International Workshop,Formation of Stars&Planets 2011にて発表。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
巨大ガス惑星の重力が原始惑星系円盤の公転運動に及ぼす影響が数値シミュレーションや数学的解析によって次第に明らかになってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
上にも述べたが、巨大ガス惑星が原始惑星系円盤に及ぼす重力的影響が数値シミュレーションや数学的解析によって次第に明らかになってきた。この結果を土台にして、本研究最終年度であるH24年度は、巨大惑星へ降着する円盤ガスの最終総流量を見積もり、木星質量の決定過程を明らかにしていきたい。
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Research Products
(2 results)