2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540441
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松本 晃治 国立天文台, RISE月惑星探査検討室, 准教授 (30332167)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 内部構造 / 測地 / 月・惑星探査 / 重力場 / 潮汐ラブ数 / VLBI |
Research Abstract |
1. 月面電波源の消費電力低減の検討 次期月探査ミッションSELENE-2への搭載を念頭に置くと、月面設置電波源には限られた消費電力しか許されない可能性が高いため、「かぐや」で採用された発信方式を見直して消費電力を低減する方法を検討した。「かぐや」では位相の2πの不確定性を解くためにS帯3波、X帯1波を常に送信していた。しかし、観測の最初と最後の10分間程度で2πの不確定性を解けば、それ以外の時間帯はS/X帯それぞれ1波ずつの送信でも観測が成立し、S帯2波分の電力の削減が可能である見通しを得た。 2. 月内部構造推定シミュレーション 昨年度までの研究により、測地観測は月最深部にあると予想される流体核の半径や密度に感度を持つこと、しかし、その一方で実際に核の構造を拘束するためには、表面からマントル下部までの構造も制約することが肝要であること、が示された。アポロ計画で既に得られた月震データは地殻・マントル構造へ制約を与え得る。そこで、昨年度までに整備したソフトウエアを改良し、測地データ(月の質量、慣性モーメント、ラブ数h2・k2)とアポロ計画で取得された深発月震のデータとを組み合わせて月の内部構造(各層の厚さ、密度、弾性定数)をベイズ推定するソフトウエアを開発した。これを用いて、将来ミッションでポテンシャルラブ数k2や低次重力場係数の精度が改善された場合に、どの程度核の構造を拘束できるかを調べるシミュレーションを行った。その結果、地殻の厚さに±70%、密度に±2%、ずり弾性定数に±20%の不確定性がある場合でも、VLBI観測によってポテンシャル潮汐ラブ数k2を1%より良い精度で決定すれば、流体核の半径を10%程度の精度で決定できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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