2012 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷渦による寒気内低気圧発達の力学に関する、理想化実験・渦位解析を用いた研究
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22540446
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊賀 啓太 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60292059)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 寒冷渦 / 寒気内低気圧 / 渦位 / 波の相互作用 / 圏界面波動 / シアー流中の中立波 |
Research Abstract |
本年度の研究では、上空の寒冷渦が寒気内低気圧を発生させる二つの要因、渦による力学的な励起と寒気としての熱的な励起との役割を調べた。二つの低気圧励起メカニズムの影響を見るために、メソ気象モデルを用いて寒気内低気圧の理想化実験を行い、圏界面の高さと成層の強さの二つのパラメータを変化させて低気圧の発生をシミュレートし、その実験結果を解析することによってどのような条件下でそれぞれの要因が効率的に働くかを明らかにした。この解析によって得られた結果は以下のようにまとめられる。 成層の強さと圏界面の高さの二つの条件に従って、力学的な擾乱発達と熱的な発達の両方が起こる場合があった。成層が弱く圏界面の高さが低い時には渦による力学的励起によって地表面低気圧が発生し、それより成層が強く圏界面の高さが高い時には対流による熱的励起によって低気圧が発達することがわかった。さらに成層が強くしたり圏界面の高さを高くすると顕著な低気圧は発達しなかった。 二つの励起メカニズムそれぞれについて、地表擾乱が発達できる条件を理想的な設定で考察した。渦の力学的な励起が起こり得るかどうかについては傾圧不安定の発生条件との対応により、熱的な対流による励起が起こり得るかどうかについては、下層の空気塊に関するパーセル法的取り扱いをすることにより、それぞれのメカニズムが働き得るかどうかの理論的な検討を行うことができ、それぞれシミュレーションによって明らかになった励起きメカニズムが入れ替わるパラメータとの対応もつく。 これらの二つの要因はいずれも成層が弱く圏界面が低いほど働きやすくなるが、熱的要因の方がより広いパラメータ範囲で地表面擾乱を発生させ得るのに対して、双方のメカニズムがともに働くパラメータ範囲では渦の力学的な要因の方がより効率的に作用することを示している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)