2012 Fiscal Year Annual Research Report
VLESモデルを利用した海洋内部重力波の励起源近傍における乱流混合過程の解明
Project/Area Number |
22540447
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹羽 淑博 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40345260)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 内部重力波 / 乱流混合 / VLES / 内部潮汐波 / 近慣性内部重力波 / 乱流パラメタリゼーション / 海洋深層大循環 / 非線形相互作用 |
Research Abstract |
バロトロピックな潮汐流と海底地形の相互作用により励起される内部潮汐波は、励起源の近傍でのシアー不安定や背景場の内部波との非線形相互干渉を通じて、海洋中・深層の乱流混合を引き起こし、密度成層を維持することで深層循環を駆動している。したがって高精度な深層循環の数値モデリングの確立には、バロトロピックな潮汐流から内部潮汐波に供給されるエネルギー量とそのグローバルな空間分布の正確な情報が必要不可欠である。 そこで平成24年度は、内部潮汐波に起因する乱流混合過程のVLESを実施するための準備として、昨年度に引き続き、現実的な海底地形、密度成層およびバロトロピック潮汐流を組み込んだ三次元並列数値モデルを用いて、内部潮汐波のエネルギー転嫁率のグローバル分布を調べた。特に、水平グリッド間隔を系統的に変えて数値実験を行い、エネルギー転嫁率のグローバル分布が水平格子間隔および海底地形の解像度にどのように依存するのかを詳しく調べた。内部潮汐波へのエネルギー転嫁率は、水平グリッド間隔の減少に対して指数関数的に増加し、特に、大西洋中央海嶺、東太平洋海嶺、中央インド洋海嶺などプレート年代が若く空間スケールの小さな不規則な海底地形が卓越する海域でグリッド依存性が特に高く、インドネシア多島海や西部太平洋などで小さくなることが分かった。また、水平波長の違いを反映して半日周期(M2, S2)のエネルギー転嫁率のグリッド依存性が日周期(K1, O1)に比べて大きくなることが分かった。このような場所や潮汐周期による内部潮汐波のエネルギー転嫁率のグリッド依存性の違いが、バロトロピック潮汐流、海底地形および密度成層で定義されるフォーシング関数によりパラメーター化できることを示した。さらに、このフォーシング関数に基づき、グリッドサイズがゼロの極限における内部潮汐波のエネルギー転嫁率のグローバル分布を推定した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)