2010 Fiscal Year Annual Research Report
強流帯を横断する船舶によるADCP観測データの較正
Project/Area Number |
22540451
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
仁科 文子 鹿児島大学, 水産学部, 助教 (80311885)
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Keywords | ADCP / 黒潮 / トカラ海峡 / 係留流速計 |
Research Abstract |
沖縄トラフを大陸棚に沿って北上し,トカラ海峡から太平洋に流出する黒潮の流路変動機構の解明ために行ってきたトカラ海峡を横断する定期フェリーによるADCP(超音波流速プロファイラー)のデータの処理・解析結果から,計測値には通常行われているデータ処理では取り除けない誤差が含まれている可能性があることがわかった.その誤差の原因を突き止め,新たなデータ処理法を提案することを目的として本研究では,(1)フェリー航路上のトカラ海峡最深部付近で流速計の係留観測を行って潮汐流を見積もり,船底ADCPデータに潮汐流による誤差がどの程度含まれているかを明らかにし,(2)3次元GPSシステムを用いて黒潮流域で船体動揺による流速誤差を見積もる実験を行い,(3)較正済み時系列データセットの作成,を行う計画である.平成22年度は以下の観測および観測準備を行った (1)ADCPデータに含まれる潮汐成分を評価するために,平成22年6月に鹿児島大学水産学部附属練習船「かごしま丸」の第7次航海に便乗し,トカラ海峡最深部(29-21.48N,129-48.90E)に3次元超音波流速計を2台設置し,深度260mと460mでの流向・流速観測を開始した.同航海でトカラ海峡を横断する10観測点でCTD観測を行い,地衡流断面を作成した (2)3次元GPSシステムによる船体動揺観測を平成23年度に開始するために,GPSアンテナの設置場所・設置架台の形状・データ転送方法を検討した (3)フェリーADCPにより,トカラ海峡を横断する流向・流速データを170断面取得し,データの一次処理を行った (4)計画にはなかったが,トカラ海峡の地衡流推算のためのデータとしてARGOフロートを用いることを検討し,トカラ海峡を含む沖縄トラフでのARGOフロートの即時データのブラッシュアップと解析を行った
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