2011 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル取得型オゾンゾンデによるオゾン、二酸化窒素、二酸化塩素、一酸化臭素観測
Project/Area Number |
22540457
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村田 功 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (00291245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 広務 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30463772)
笠羽 康正 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10295529)
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Keywords | 超高層大気環境 / オゾン / 気球観測 |
Research Abstract |
昨年度トラブルが発生した装置の長時間動作試験、低温・高湿度下での動作試験等を行ったが一度も装置は止まらず、トラブルは再現しなかった。しかし、温度試験用にキセノンランプを点灯したところその高圧電源の立ち上がり時にデータ書き出しがストップするというトラブルが再現した。そこで、観測器をメーカーに持ち込み、キセノンランプ用高圧電源およびノイズ発生装置を用いて試験したところ、高周波の電波ノイズが発生した際にこのトラブルが起きることが確認された。ようやく原因が分かったので、装置はノイズ対策を施すために現在メーカーにて修理中である。 昨年度に新たに製作したもう一台の観測器については、室内にて正常動作することを確認した。その後、温度・気圧試験を行う予定であったが、上記のノイズによるトラブルは同じく再現するため、こちらもノイズ対策のためメーカーで修理中で、温度・気圧試験は対策終了後来年度に行うこととした。 二酸化窒素観測可能性については、地上観測用に購入した同仕様の分光器とデータ取得用PC、レンズ等を用いて、大学構内にて太陽光が仙台市街地上空を通る日の出直後および大気中を通過するパスの光路長が最も短くなる南中時に観測を行った。これらの差分スペクトルから二酸化窒素の吸収量が同定できるか解析を進めているところである。 また、24年度の大気球観測に備え宇宙科学研究所に大気球観測の申請を行った。幸い今回は採択され、24年9月の大樹町での観測に向け準備を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置が止まるトラブルがなかなか再発せず、その原因究明が進まなかったため。しかし、ようやく高周波ノイズにより止まることが分かったため、来年度には対策を施し観測ができる見通しが立った。
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Strategy for Future Research Activity |
装置トラブルの原因がようやく分かり、来年度の大樹町での観測の申請も通ったので、24年度には対策済み観測器と予備機の2台体制で臨める見込みとなり、日本での検証観測は無事行えそうである。また、二酸化窒素の解析手法も現在地上で測定した模擬的な観測データを用いて検討中である。本研究課題では実際の極域での観測を行うには至らないが、日本での観測から二酸化窒素をオゾンと同時に観測する手法を確立する見込みは立ってきたため、最終年度である24年度は実際の観測データから二酸化窒素とオゾンを導出する予定である。
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Research Products
(2 results)