2012 Fiscal Year Annual Research Report
地球放射線帯の相対論的エネルギー電子の加速メカニズムの観測とモデルからの解明
Project/Area Number |
22540458
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長井 嗣信 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60260527)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 放射線帯 / 高エネルギー電子 / 磁気嵐 / サブストーム / 宇宙天気 |
Research Abstract |
人工衛星「あけぼの」搭載の放射線モニターによる地球放射線帯の観測を継続することにより、1989年3月以来から2013年3月まで、太陽活動周期11年の2倍以上に当たる24年間のデータベースの作成を続けている。アメリカの人工衛星SAMPEXが2012年末に寿命となったこと、2機の編隊衛星Van Allen Probes (Radiation Belts Storm Probes)の観測が2012年9月から始まったことにより、観測継続の重要性は高まってきている。Nagai et al. (2006) により提案されたモデル「磁気嵐中の大規模サブストームにともなる磁場変動が作る誘導電場による電子の加速」がどのような場合に有効に働いているかについて、2010年3月-8月の期間の観測、特に4つの磁気嵐期間に得られた「あけぼの」のデータについて、他の衛星NOAA とGOESや地上観測との詳細な比較検討を行った。これらの4つの例については、放射線帯外帯の電子フラックスの増加は、3時間以内にかなりの電子加速が、進んでいることを示した。このことは、従来言われている「波による電子加速」の典型的時間スケールの半日から1日程度に比べ、かなり短いため、「波による電子の加速」だけでは、これらの電子加速を説明できない可能性を示した。ただし、サブストームによる大規模磁場電場の変動については、これらの例では、よい位置に観測衛星がなかったため、不十分な結果である。このことは、Nagai et al. (2006) により提案されたモデルの厳密な検証とはならないが、モデルを支持するものであることが示せた。さらに、「電子の加速」のメカニズムを厳密に検証するためにどのようなことが必要かも示せた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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