2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540459
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 弘藏 京都大学, 生存圏研究所, 研究員 (80026369)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | プラズマ波動 / かぐや / 静電孤立波 |
Research Abstract |
月周回衛星「かぐや」低周波波動観測装置LRS-WFCでは,静電孤立波(ESW)や電子プラズマ波、オーロラキロメータ波(AKR)といったさまざまな波動が観測されている。月と太陽風の間の相互作用の結果として観測されるESWに注目し,WFCで観測されたスペクトルや波形を,磁場観測装置MAP-LMAGのデータとACE衛星による太陽風中の磁場データを観測場所の同定に利用した解析を行ってきた。ESWは互いに逆方向に流れる粒子が存在するときに励起され,磁気異常上やウェイクとの境界域で観測されるほか,月面で反射される粒子により日照域で観測される。さらに,最近太陽風に対して月の裏側となるウェイク内部でも観測されることが明らかになった。粒子観測装置MAP-PACEについては,以前から利用してきた粒子のE-t図(エネルギーの時間変化)に加えて,ESWの励起にとって重要な電子の速度分布関数も求めた。 月の磁場,磁気異常データ,太陽風中の磁場を用いて前述の観測地点を同定し,受信波形を背景磁場に平行な成分と垂直な成分に分けて,ESWの理想波形で近似することによって精度を増して,観測波形との比較ならびに特徴に関する議論を行った。 さらにプラズマ計測器を併用して、種々の観測地点における電子の速度分布を明らかにすることができた。この際,Geotail衛星で行われた解析法に準じて,観測された速度分布から背景の熱粒子分布を仮定して引き去り,電子ビーム成分を抽出し,波動粒子相互作用の解析に有用なデータが得られつつある。ただし,ESWは0.1秒オーダの現象であり,原則として16秒の粒子観測の間に様々なESWが観測されるので,個々のESWと速度分布との直接的な議論ができるわけではない。 今後,これらの成果を元に月周辺におけるESWの励起機構やESWの励起領域における物理機構を明らかにしてゆく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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