2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540462
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
坪内 健 独立行政法人情報通信研究機構, 電磁波計測研究センター宇宙環境計測グループ, 有期研究員 (60397601)
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Keywords | 宇宙科学 / 宇宙空間 / 宇宙線 / 超高層物理学 / 太陽圏 / 衝撃波 |
Research Abstract |
太陽風プラズマから太陽系外の星間物質への遷移領域、特に終端衝撃波面(termination shock;TS)において非一様・非定常な構造変動を誘発する要因を突き止めることを目的とするシミュレーションモデルを開発するにあたって、平成22年度はTS構造を決定づける上で本質的に重要な役割を担う上流側の太陽風プラズマ特性の検証に焦点を当てた。特に太陽風の速度二層構造の相互作用領域境界で成長する衝撃波周辺の物理過程に着目し、ハイブリッドコードを用いてプラズマの「プレ加速」や大振幅Alfven波との相互作用に見られるプラズマ・電磁場データを解析した。シミュレーションの結果、従来観測的に知られていた領域境界における高エネルギー粒子分布の前方-後方間の非対称性が、太陽風の断熱膨張効果によって衝撃波と磁場との幾何形状が変化することから生じる粒子加速効率の違いに起因することを立証した。またAlfven波がこの衝撃波を通過すると呈する磁場強度の減衰したmagnetic hole構造が、衝撃波加速前の粒子を捕捉することで加速効率を低減する効果を持つことも示した。一方、TS領域のプラズマの主成分と考えられているピックアップイオン(中性粒子が太陽圏内で電離し、太陽風磁場の運動からローレンツ力を受ける高エネルギープラズマ)のダイナミクスの数値モデル化にも着手した。次年度においては、これらの成果をTS上流域の初期条件に組込んだ衝撃波シミュレーションを実行して本目的であるTSの非定常構造に関する議論を進め、特に粒子へのエネルギー分配効率に与える影響を検証することを計画している。
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Research Products
(3 results)