2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540462
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪内 健 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (60397601)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 太陽圏 / 衝撃波 / 宇宙科学 / 宇宙線 / 宇宙空間 / 超高層物理学 |
Research Abstract |
太陽風プラズマから太陽系外の星間物質への遷移領域、特に終端衝撃波面(termination shock: TS)において非一様・非定常な構造変動を誘発する要因を突き止めることを目的とするシミュレーションモデルの開発にあたり、最終年度である平成24年度は数値コード自体の3次元並列化の実装に努める他、太陽圏内部で発生する衝撃波による粒子加速の特性を詳しく検証した。 特に太陽風プラズマとは異なる起源を持つピックアップイオン(太陽圏内で電離した星間中性粒子:PUI)がTS領域においては太陽風に匹敵する粒子成分となることから、これが太陽圏内部で受ける加速によって形成されるエネルギー分布がTS構造に及ぼす影響は大きい。そこで、太陽風の速度二層構造から成長する相互作用領域(CIR)境界の衝撃波におけるPUI加速過程のシミュレーションデータを精細に解析した。その結果、低エネルギーの太陽風プラズマとは異なり、衝撃波面近傍に捕捉されることで波面電場を長時間受け続けられる効率の良い加速メカニズムが特に高速太陽風領域のPUIに対して働くことが示された。また複数のCIRが形成されると、PUIがCIR間を何度も往復するたびに衝撃波での加速・反射を受けることで更に高いエネルギー領域に到達可能なことも明らかとなった。典型的な太陽風パラメータを導入するとエネルギーは100keV超に達し、TSにおける異常宇宙線成分の粒子源としての妥当性も示唆される結果となった。 本研究課題を通じて、太陽圏境界のプラズマ環境を知る上で、その供給源である太陽風プラズマのダイナミクス、特にTS到達前の電磁場擾乱との相互作用過程およびPUIなど太陽起源以外の粒子成分の重要性が改めて明らかになった。この成果を、基盤研究(C)「太陽圏外縁部に分布する高エネルギー粒子の生成機構の解明」(平成25~27年度)で更に発展させていく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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