2010 Fiscal Year Annual Research Report
巨大噴火の時代変遷-大陸縁から島弧成立への火山活動の変化
Project/Area Number |
22540469
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小室 裕明 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80135897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 淳志 島根大学, 総合理工学部, 准教授 (60379691)
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Keywords | 火山 / 巨大噴火 / 地質年代 / 白亜紀 |
Research Abstract |
(1)岡山県美咲町に位置する二上山コールドロンの形成年代を明らかにするため,安山岩溶岩流から岩石試料のサンプリングを行ない,Rb-Srアイソクロン放射年代測定を行なった。結果は,83±13Maであった。クロスチェックのため,基盤の花岡岩とコールドロンに貫入している安山岩岩脈のサンプリングおよびK-Ar放射年代測定を行なった。同位体分析は外注した。結果は,基盤の花崗岩が85.2±1.9Ma,岩脈が66.6±2.4Maと72.8±1.8Maであった。これらのデータから,二上山コールドロンの形成年代は,白亜紀後期の85~73Maであったと結論される。 (2)申請書「研究の目的」に述べた中国地方中部の火山活動の範囲を押さえるため,兵庫県北部宍粟市に位置する引原コールドロンの年代測定を試みた。引原コールドロンに貫入している花崗岩をサンプリングし,Rb-Srアイソクロン放射年代として63.1±2.3Maが得られた。また,コールドロンを埋積する火砕岩のジルコンFT年代値として73.2±2.5Maが得られた。これらのデータから,引原コールドロンの形成年代は,白亜紀後期の70Ma前後と結論できる。 (3)したがって,中国地方中部の火山活動は白亜紀最末期であり,90Ma前後の匹見・高田流紋岩類より新期であり,しかし古第三紀の活動はなかったと,今のところ結論できる。
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