2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540488
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 眞 茨城大学, 理学部, 教授 (20142226)
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Keywords | 隕石 / コンドライト / 衝撃変成作用 / 超高圧鉱物 / コンドルール |
Research Abstract |
平成22年度は主として、隕石における衝撃変成作用について研究した。東北大学大谷研究室との共同研究によりこれを遂行し、コンドライト隕石が衝撃を被った時に、そこに含まれるカンラン石が超高圧鉱物であるリングウッダイトに転移するメカニズムを電子顕微鏡やラマン分光分析により明らかにした。特に、カンラン石とリングウッダイトの離溶組織に着目した。また、月起源の隕石からシリカ鉱物の高圧相であるコーサイトやスティショバイトを発見し、月の初期進化段階における、衝突作用の詳細を検討した。月は形成直後に大規模な衝突現象を被ったことがクレーターの研究などかられていたが、われわれの成果はそれを確定づけろものと成った。さらにアメリカ自然史博物館のワイスバーグ博上と共同で世界で初めて、炭素質コンドライトから超高圧鉱物であるメジャーライトやワーズレアイトなどを発見した。従来、これらの隕石は他とは物性や歴史が異なるとされていたが、衝撃を強く受けたことに関しては同様であることが明らかと成った。以上の成果については、研究発表欄の雑誌論文項目に記載した。 これらの研究に加えて、CRコンドライト中のクラストを研究し、地球の高圧変成岩に特有で、従来隕石からは発見されていなかったバイローブやオンファス輝石を見出し、これらのクラストの起源を、国際隕石学会の年会で報告した。 さらにウィスコンシン大学の研究者と共同でCHコンドライト中のコンドルールの化学組成、酸素同位体組成に関して系統的研究を開始した。これは特異な炭素質コンドライトであり、この中のコンドルールの研究はCHコンドライトの成因を明らかにするものと期待してしる。
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[Journal Article] Coesite and stishovite in a shocked lunar meteorite, Asuka-881757, and impact events in lunar surface2010
Author(s)
Ohtani E., Ozawa S., Miyahara M., Ito Y., Mikouchi T., Kimura M., Arai T., Sato K., and Hiraga K.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
Volume: 100
Pages: 14651-14654
DOI
Peer Reviewed
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