2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540488
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 眞 茨城大学, 理学部, 教授 (20142226)
|
Keywords | 隕石 / コンドライト / 衝撃変成作用 / 炭素質コンドライト / コンドルール / 金属鉄 |
Research Abstract |
平成23年度では以下の研究を行った. 1)阻石における衝撃変成作用について前年度に引き続き東北大学と共同で研究を行った。特に斜長石の高圧下での変化について研究を行ったが,その成果は現在論文として,まとめつつある.また,従来の衝撃変成作用に関する知見を総説としてまとめ,惑星科学会の学術誌(遊星人)に発表した.研究発表欄の雑誌論文項目に記載したものである. 2)CRコンドライト中のクラストを研究し、地球の高圧変成岩に特有で、従来隕石からは発見されていなかったパイロープやオンファス輝石を見出した.これらのクラストの形成過程については論文としてまとめ,投稿中である. 3)ウィスコンシン大学の研究者と共同でCHコンドライト中のコンドルールの化学組成、酸素同位体組成に関して系統的研究を行った.その結果,最も始源的な酸素同位体組成の分布が初めて明らかになった.成果は論文としてまとめ,投稿中である. 4)CMコンドライト中の金属鉄を研窒し,成果を論文として限石学会の学会誌に発表した.・研究発表欄の雑誌論文項目に記載したものである.これは母天体における熱変成作用の有効な指標となるものであるが,他の阻石においてもこの成果が適用できるか検討中である. 5)「はやぶさ」試料の初期分析チームに参加し,隕石中の鉱物組成と「はやぶさ」試料の比較検討を行った.「はやぶさ」試料はLL6隕石に特徴的な組成を示すことが明らかとなり,その成果をScienceに発表した.研究発表欄の雑誌論文項目に記載したものである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では内外の研究者と共同で衝撃変成作用やコンドルールの研究を行う予定であった.これらについては上述のように成果が出て,論文などの発表も順調に遂行できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は成果のまとめを主として行うが、必要な観察や分析はさらに遂行する。これまでにコンドライト中の構成物質について岩石・鉱物学的データ等がそろってきているので,これらに基づいて、コンドライトの個々の構成物質の形成過程を明らかにし、目標であるコンドライト形成過程の復元を行う。研究成果は国内外の学会で発表し、論文及び最終的な研究成果報告書を作成する。
|
Research Products
(4 results)