2012 Fiscal Year Annual Research Report
高温・高圧水環境でのコロイド輸送に関する基礎的研究
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22540495
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
出口 茂 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, チームリーダー (40344296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 岳人 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 研究員 (50533858)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | コロイド輸送 / 超臨界水 / 分散安定性 / 熱水鉱床 / 鉱床形成 |
Research Abstract |
これまでに水の臨界点(Tc = 374℃, Pc = 22.1 MPa)に近い高温・高圧水環境下でのコロイドの分散安定性を実験的に検証するための装置を開発した(設計温度:400℃、設計圧力:94 MPa)。単分散ポリスチレン微粒子の分散液を用いたモデル実験では、25 MPaの圧力下では330℃以上で粒子の凝集が起こるのに対し、90 MPaでは340℃でも安定分散が保たれることがわかった。高温・高圧水中でのコロイドの分散安定性が、系の圧力にも依存することが強く示唆された。比誘電率と粒子分散安定性との相関を明確にすべく、さらなる実験を試みたが、高圧試料を装置に送液するポンプからの液漏れが頻発し、メーカーとのやり取りによって問題を解決するのに1年近くを要したため、研究の進展は大幅に遅れた。現在は問題は解決しており、今後も継続して実験を行っていく予定である。 一方、昨年度より開始した超臨界水を利用した炭化水素のナノ乳化プロセスに関する研究は大きく進展した。本プロセスは、高温・高圧の超臨界水が様々な炭化水素と自由に相溶する性質を利用したもので、超臨界水と炭化水素の均一溶液を毎秒200℃を越える速度で室温にまで急冷し、微細油滴を析出させる。炭化水素にドデカン、乳化剤に非イオン性界面活性剤(Brij 97)を用い、25 MPaのもとで行った実験で、10秒以内という短い時間でドデカンを直径61 nmのナノ油滴として分散した乳化物を調製できることがわかった。さらに1)水とドデカンを373℃以上で混合したときにのみナノエマルションが得られる、2)油滴サイズは溶液の冷却速度にも依存する、3)油滴は均一溶液のスピノーダル分解によって生成することなどが明らかとなった。これらの結果を纏めた学術論文は、Angewandte Chemie International Edition誌に受理された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)