2012 Fiscal Year Annual Research Report
大気中でのイオン誘発核生成の定量的解明:反応素過程実験からのアプローチ
Project/Area Number |
22540498
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中井 陽一 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 専任研究員 (30260194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 直樹 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50271531)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大気イオン化学 / クラスターイオン / 微粒子核生成 / 原子分子物理 |
Research Abstract |
平成24年度研究費で実施した研究の成果は以下のようになる。 1. H3O+(H2O)nクラスターイオンの結合水分子数の変化に伴うギブスの自由エネルギー変化についての測定を高温側に拡張するために、400K程度まで昇温できる高温対応のイオン移動管の開発を行った。高温対応イオン移動管のテストはほぼ成功したが、本測定の開始後すぐ、質量分析器の故障や検出素子の劣化などによってデータの取得できない時期が生じた。これらの修理を行って、約320Kから約400Kまでの温度範囲においてH3O+(H2O)nクラスターイオンの結合水分子数が変化するときの自由エネルギー変化を前年度まで行った233Kから328Kでの測定と同程度の良い精度で得ることができた。 2.種イオンをNO+とする実験を本格的に行った。NO+イオンはその電子基底状態と寿命の長い電子励起状態が混じって生成されることが知られている。イオン移動管の特徴を利用し、クラスターイオン生成部に加える電場条件を通常の実験から変えることで、励起状態が引き起こすクラスターイオン生成の反応経路の違いに関する寄与を見積もることができた。また、緩衝ガスの種類によってこの励起状態の寄与が変化することが実験的に分かった。これらの知見は今後の測定に活用する予定である。 3.(H2O)n+クラスターイオンの生成について、イオン移動管にD2OをH2Oの代わりに導入して実験を行ったところ、残念ながら(H2O)n+クラスターイオンの生成については確定的なことは言えないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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