2010 Fiscal Year Annual Research Report
低気圧高密度磁気中性線環状放電プロセスプラズマのモデリングと動的制御特性解析
Project/Area Number |
22540500
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅原 広剛 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (90241356)
|
Keywords | NLDプラズマ / モンテカルロシミュレーション / 磁化プラズマ / プラズマプロセス / 磁界制御 / 誘導結合型プラズマ / ドライエッチング |
Research Abstract |
半導体集積回路等の微細加工プロセスであるドライエッチングに用いられる低気圧高密度の磁気的中性線環状放電(NLD)プラズマについて、構造解析と磁界制御を目的として次の解析を行なった。 1.プラズマ構造解析:プラズマに印加する4極磁界中の電子運動を模擬するシミュレーションで境界条件となる電子反射率を高く設定し、電子分布と平均エネルギー分布の実測値のピーク位置のずれを再現できるモデルを得た。電子分布、平均エネルギー分布の成り立ちと、エネルギー利得・損失分布で示されるエネルギー輸送について、電子の運動から合理的な説明を与えた。電子は磁気的中性線付近でエネルギーを得、高エネルギー電子は4極磁界の分界線に沿って輸送されることを示した。空間電荷電界を計算に取り入れ考慮したモデルを構築し、イオンによる空間電荷電界が電子を磁気的中性線付近に繋ぎとめる効果がプラズマ維持に寄与する傾向を見出した。 2.イオン輸送の磁界制御の試み:大面積均一エッチングのため、イオン輸送の磁界による制御指針を検討した。イオンは4極磁界の分界線に沿う位置で生成されるため、基板へのイオン入射位置も分界線の足付近でピークを持った。4極磁界を作るコイル電流の制御により分界線の足に基板面上を掃引させることができ、イオン入射量の時間平均値を均一化できる可能性を示した。 3.電子輸送基礎過程の解析:4極磁界の構成要素となる反平行傾斜磁界における電子輸送の基礎過程を解析し、従来知られていた直流電界下だけでなく交流電界下でも独特な整流効果が発現することを見出した。整流効果により磁気的中性領域に沿う電流路に順方向と逆方向の指向性が交互に現れる独特な構造が生じることを示した。この効果はプラズマと外部回路の相互作用を支配する環状プラズマ電流に影響し、NLDプラズマの等価回路解析モデルを立てる際に有用な情報と思われる。
|
Research Products
(13 results)