2012 Fiscal Year Annual Research Report
大電力パルススパッタ放電の特性解明と成膜用金属イオン源への展開
Project/Area Number |
22540501
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
池畑 隆 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (00159641)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スパッタリング / 金属イオン源 / 大電力パルス放電 / 薄膜合成 / 熱電半導体 / マグネシウムシリサイド / 結晶構造 |
Research Abstract |
1 大電力パルススパッタ放電の電流電圧特性と放電形態(継続) CuターゲットとMgターゲットについて電流電圧特性を比較した。MgはDC駆動では安定した放電が可能だが、大電力パルス駆動では0.05A/cm2の低電流密度でもアーク転移を発生した。酸化膜が発生しやすいことが原因と思われるが,機構は十分解明されていない。いずれにしても成膜(後述の熱電半導体Mg2Si合成で利用)ではDC駆動が適切と判断された。 2 大電力パルス駆動ペニング放電スパッタ源の特性評価 高電離度金属イオン源への応用を目指してペニング型スパッタ源を大電力パルス駆動し、放電安定性、イオン密度とその分布を測定した。陽極を磁極に近接して設置することによって放電電流が増し、安定性が改善された。密度分布はパルススパッタとDCとでほぼ相似であるが,密度の絶対値はパルススパッタで約2桁増加した。次ぎに、磁場分布に勾配を持たせることによってドリフト効果でイオンを磁場外に引き出すことを試みたが、イオンフラックスの顕著な増加は観測できなかった。磁場勾配をより大きくするなどの改良が必要に思われた。。 3 DCスパッタを応用した熱電半導体マグネシウムシリサイド(Mg2Si)膜の合成と最適合成条件の探索 単結晶Si基板上にMgをDCスパッタ堆積させ、Ar雰囲気中でアニール処理することによってMg2Si膜を合成した。結晶構造をXRD、レーザーラマン分析を用いて分析した。ラマンスペクトルがバルクMg2Si結晶のそれと相似形であることから、得られた膜の結晶性は高く、XRD測定からは、粒径200nm程度の結晶子を含む多結晶膜であることがわかった。最適アニール温度は350℃であった。Mgの蒸発を防ぐために封入されるArの最適圧力は50Pa以上であった。(1000Pa以上は未調査)。真空(10-5Pa程度)ではMg2Siの合成が確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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