2010 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギーインジウムイオンの照射による新規反応固体触媒の開発と触媒特性の評価
Project/Area Number |
22540506
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 智 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40294029)
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Keywords | イオンビーム / インジウム / 触媒 |
Research Abstract |
近年、インジウムは数多くの産業において利用されている。化学分野では、インジウムとケイ素を組み合わせた新しい触媒が発見された。単体のインジウムまたはケイ素化合物には触媒効果がなくても、両者の相互作用によって高い触媒活性が発現する場合があることが分かった。しかしながら、この触媒には2つの難点がある。ひとつは、溶媒中に溶解して合成されるため、やや面倒な分液操作や分離操作が必要な点である。二つ目は、インジウムは希少金属であるにもかかわらず、この方法では、使用後の触媒の回収が困難なことである。本研究では、申請者の持つプラズマ技術を活用し、また有機合成化学者との連携研究により、これらの問題を解消したインジウム系固体触媒を開発すること、および得られた触媒の特性評価を行うことを目標とする。 本年は、インジウムビームを生成する実験を行った。イオンの質量を測定し、インジウムであることを確認した。また、インジウムイオンビームのエネルギースペクトルを測定した。次に、イオンビームを酸化ケイ素基板に照射し、インジウム注入試料を作製した。イオンビーム照射後に、この試料の表面をXRD, XPS, AFMにより分析したところ、表面にインジウムが存在することを確認した。この試料の触媒特性を評価したところ、わずかに触媒効果があることを見いだした。特に、触媒特性が発現するのが、ある特定のドーズ量でイオンを注入した場合に限られることを発見した。
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Research Products
(2 results)