2012 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギーインジウムイオンの照射による新規反応固体触媒の開発と触媒特性の評価
Project/Area Number |
22540506
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 智 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40294029)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | イオン / インジウム / 触媒 |
Research Abstract |
近年、インジウムは数多くの産業において利用されている。化学分野では、インジウムとケイ素を組み合わせた新しい触媒が最近発見された。単体のインジウムまたはケイ素化合物には触媒特性がなくても、両者の相互作用により高い触媒活性が発現する場合があることが分かっている。しかしながら、この触媒には2つの難点がある。ひとつは溶媒中に溶解して合成されるため、やや面倒な分液操作や分離操作が必要なことである。2つめは、インジウムは希少金属であるにもかかわらず、この方法では使用後の触媒(インジウム)の回収が困難なことである。 本研究では、申請者のもつプラズマ技術を活用し、また有機化学者との連携により、これらの問題を解消したインジウム系触媒を開発すること、および得られた触媒の特性評価を行うことを目的としている。 本年度は、まずイオンビームを酸化ケイ素基板へと照射する実験を行った。昨年度までは、制御できるパラメータは、照射イオンビームのドーズ量(総注入イオン数)と入射エネルギーであったが、今年度は基板の温度を制御できるように改良した。温度は、常温、200度、400度、800度とした。その結果、基板温度が常温の場合のみ触媒効果が発現することを発見した。これらのインジウム照射基板の表面状態をXPS,XRD,AFMを用いて解析した。その結果、800度の場合には、入射したインジウムが蒸発してしまい、基板に残っていないことが分かった。200度と400度の場合には、基板表面に薄いインジウムの膜がはっていることが分かった。金属インジウムには触媒活性がないため、これらの基板では触媒効果がなかったものと思われる。常温の場合には、入射インジウムが適度にSiO2基板へと注入され、インジウムとケイ素の相互作用が発生して、触媒効果が発現したと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)