2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22550001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
リャーリン アンドレイ 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (70542273)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武次 徹也 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90280932)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
Keywords | 金ナノクラスター / 酸素還元 / 酸化反応 / 担体効果 / 密度汎関数法 / 反応経路 / ボロンナイトライド |
Research Abstract |
本課題では、金クラスターに触媒された酸素分子による酸化反応の機構解明を目的とし研究を進めた。最終年度は、不活性なh-BN担体上の金クラスターの触媒活性を調べた。計算より、不活性とされているh-BN担体であっても、金クラスターへの酸素分子の吸着とO-O結合の活性化が強く影響されることを見出した。Bader電荷を解析したところ、h-BN担体からO2-Auへ電子移動するわけではなく、h-BN担体が金から吸着酸素への電子移動を促進していることがわかった。またh-BN担体に欠陥を導入してその効果を調べたところ、金クラスターと空孔点欠陥が強く結合すること、その強い相互作用は大きな電荷移動によること、さらにはそれが担持された金の触媒活性に強く影響することを見出した。担持された金原子上での酸素分子の活性化と酸素解離の活性化エネルギーが、金とh-BN担体との相互作用によって大きく影響を受けることも示した。更に、h-BN担体上のAu原子を触媒とした酸素分子によるCO酸化機構を調べたところ、2つの異なる反応経路を得た。すなわち、2つのCO2分子が独立で形成される二段階反応と、1つ目のCOの酸化が第2のCO分子によって促進される自己促進経路である。本計算により、h-BN担体に担持された金原子は擬似原子とみなすことはできないことが明らかとなった。理論計算の結果は、h-BNといった不活性な担体に担持した金クラスターの触媒活性に関する実験データを適切に解釈する上できわめて重要である。加えて、不活性なh-BN単層がN-ドーピングによって機能を持たせることができ、酸素還元反応に対し活性を示すことを示した。計算で得られた酸素還元過程の中間種のh-BNへの吸着エネルギーはPt(111)表面の場合とよく似ており、機能を持たせたh-BN単層は燃料電池で使われる白金触媒を置き換える有望な候補といえる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|