2011 Fiscal Year Annual Research Report
共役ラジカルイオン二量体分子系の赤外吸収測定と電子-分子振動相互作用の解析
Project/Area Number |
22550005
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂本 章 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90262146)
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Keywords | 赤外吸収スペクトル / ラジカルイオン / 2価イオン / シクロファン分子 / ラジカルイオン二量体 / 電子-分子振動相互作用 |
Research Abstract |
本研究では,ラジカルイオン二量体や二量体分子系(シクロファン類)のラジカルイオン・2価イオンの赤外吸収スペクトルを測定し,分子間での電荷移動を誘起する分子振動モードの観測と電子-分子振動相互作用の解析を推進する,平成23年度に行った主な研究課題は,次の3項目である. 1.[3n]シクロファン類のラジカルカチオン・2価カチオンの赤外吸収スペクトルの測定と電子一分子振動相互作用の解析 二量体分子系の最初の研究対象として,[3_4]シクロファン(4つの橋架けアルキル鎖の炭素数が3)をとりあげ,そのラジカルカチオンの赤外吸収スペクトルの測定と解析を行った.この成果は,より大きな二量体分子系を研究していく上での重要な基礎となる. 2.低温で二量化したラジカルイオン二量体の赤外吸収スペクトルの測定と電子-分子振動相互作用の解析 これまでに電子吸収分光法と電子スピン共鳴法から低温での二量化が報告されている,オリゴチオフェンのラジカルカチオンを研究対象として,その赤外吸収スペクトルの測定と解析を行った. 3.チオフェン五量体とその橋架け二量体のラジカルカチオンと2価カチオンの赤外吸収スペクトルの測定と解析 側鎖にオクチル基を有するチオフェン五量体(キンクチオフェン)とその橋架け二量体のラジカルカチオンと2価カチオンの赤外吸収スペクトルの測定を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「研究の目的」に記載した具体的な研究課題は5項目である.3年の研究期間(平成22年度~平成24年度)のうち2年が経過した現時点で,3項目についてはほぼ完了し,4項目めも平成23年度中に取り組みをスタートさせた.したがって,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後(平成24年度)は,5項目の研究課題のうち,残りの2項目(以下参照)を実施する予定である. 1.チオフェン五量体とその橋架け二量体のラジカルカチオンと2価カチオンの赤外吸収スペクトルの測定と解析 2.シクロファン系分子のラジカルイオンと2価イオンの赤外吸収スペクトルの測定と解析
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Research Products
(15 results)