2010 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光エネルギー変換を行うナノ有機分子システムの電子伝達機能
Project/Area Number |
22550009
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小堀 康博 静岡大学, 理学部, 准教授 (00282038)
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Keywords | 太陽光エネルギー変換 / 光電荷分離状態 / 立体配置 / 電子的相互作用 / 人工光合成 / 時間分解電子スピン共鳴 / オリゴシラン / フラーレン |
Research Abstract |
効率のよい光-化学エネルギー変換を行う分子素子を設計する上で、電子ドナー(D)-アクセプター(A)連結系における立体構造および電子状態がどのように電荷分離および電荷再結合過程を制御できるのかに大きな関心が持たれる。最近、オリゴシランで架橋したD-A連結系の分子内電子移動過程が観測され、長距離電子移動効率におけるSi-Si結合によるシグマ共役の役割が注目されている。しかしながら、長距離電子移動に対する分子の立体構造および電子状態の役割について詳細は明らかになっていない。当研究室では、様々な機能性分子やタンパク質の系において生成する光電荷分離状態の分子立体構造および電子的相互作用の解析を進めている。ごく最近、フラーレンと亜鉛ポルフィリンをジシランで架橋した分子(ZnP-Si_2-C_<60>)についての光電荷分離状態の分子立体構造および電子的相互作用が報告された。オリゴシランにおけるケイ素間の結合はフレキシブルであるため、分子運動によって様々な立体構造を持つことが可能である。このためDとAをオリゴシランで連結すると、D-A間において様々な立体配置をとることができる。また、直鎖状に延びた立体構造を持っオリゴシランに関しては、ケイ素間のσ結合に関与する電子軌道間の重なりによってスペーサーが共役系を持つようになる。この電子非局在化が電子伝達のワイヤーとしての機能をもたらすことが期待される。 本研究では、時間分解EPR法によってシランの結合数nを変化させた連結分子ZnP-Si_n-C_<60>(n=1,3,4)の光電荷分離状態について、1)立体構造などの精密構造と電子的相互作用との関係2)Si鎖の数の異なる系においてそれぞれの交換相互作用に対するスペーサー長依存性について調べ、電子伝達機能に対するシグマ共役の役割を解明した。
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