2012 Fiscal Year Annual Research Report
超並列フラグメント分子軌道法プログラムライブラリの開発
Project/Area Number |
22550015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲富 雄一 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 学術研究員 (70437747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 睦 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (00260026)
高見 利也 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (10270472)
眞木 淳 九州大学, 九州先端科学研究所, 研究員 (10404047)
小林 泰三 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 学術研究員 (20467880)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超並列化 / フラグメント分子軌道法 / アプリケーションプログラムインターフェイス(API) |
Research Abstract |
今年度は、昨年度末時点で未完成であったHartree-Fock法に基づいた並列FMO計算に必要となる各種関数(サブルーチン)を作成し、これまでに作成していた部分と組み合わせて、FMO計算を全体を通して行うためのプログラムを完成させた。また、完成したプログラムを用いて九州大学にあるクラスタ型並列計算機や京コンピュータ、ならびに、理化学研究所の並列計算機(RICC)を用いたベンチマークテストを行った。その結果、FMO計算全体の並列性能の評価では、1万6千原子程度の分子に対する計算が、今回テストした2万並列までだと、ほぼ理想的な速度向上を示すことが分かった。また、並列処理時のプロセス間通信のコストについては、計算時間に比べて、ほとんど無視できるものであることを確認した。したがって、今回、我々が実装した方法で、超並列実行時に高い性能が得られることが分かった。一方で、小規模密行列に対する一般化固有値問題求解のように、プロセス間並列化が困難な部分の処理が存在するために、FMO計算で多数回行う小規模な電子状態計算部分の並列性能が伸びなくなることも確認された。今回のこの結果は、今後の超並列量子化学計算プログラムの開発における重要な知見である。 今回作成したプログラム(通常のMPI並列プログラム)を基にした、耐障害性を考慮した並列FMOプログラム(RemoteProcedureCallを用いたマスタ・ワーカプログラム)の作成を他機関と協力して行ったが、プログラムの各部品とそのつなぎ目(API)に関する仕様を既に決めていたことで、比較的短時間でその作業が終了した。このことから、今回設計したAPIが、並列FMOプログラム作成能効率化に大きく貢献できることが示された。
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Research Products
(7 results)