2012 Fiscal Year Annual Research Report
不凍タンパク質の機能発現と水の動的クロスオーバーの関係
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22550024
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
吉田 亨次 福岡大学, 理学部, 助教 (00309890)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生物物理 / タンパク質 / 水和 |
Research Abstract |
SPring-8にて、水を吸着させた不凍タンパク質の高分解能X線非弾性散乱を298Kから180Kで測定した。不凍タンパク質はA/F protein社から購入し、水和率0.4に調整した。非弾性散乱エネルギーの波数依存性から高周波音速を求めた。高周波音速はほとんど温度依存性がなく、不凍タンパク質の水和水の集団ダイナミクスは温度の影響をほとんど受けないと思われる。これは、中性子による非干渉性非弾性散乱実験で観測される単一粒子運動の温度依存性と大きく異なっている。さらに、J-PARCに設置されている高分解能チョッパー分光器を使用して、水和タンパク質の中性子ブリュアン散乱を測定した。中性子散乱では水素原子の運動も観測できることを利用して、水和水の回転運動も測定した。前年度のX線回折実験の結果と合わせて、タンパク質のガラス転移は水和水の構造転移に起因するものではないと結論した。 また、前年度に実施したX線回折による水和不凍タンパク質の水和構造について考察するために、同じ条件において他のタンパク質(β-ラクトグロブリン、F-アクチンなど)のX線回折測定を行った。乾燥状態の試料からの散乱を差し引くことにより、水和水の構造情報を得た。その結果、タンパク質分子と水和水の相互作用により、水和水の構造に対する温度の影響がタンパク質により異なることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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