2012 Fiscal Year Annual Research Report
励起子ダイナミクスの高度利用による光エネルギー変換反応系の構築
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22550026
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 隆二 日本大学, 工学部, 教授 (60204509)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 電荷分離反応 / 過渡吸収分光 / 有機ナノ微粒子 / 励起子分裂 / 磁場効果 |
Research Abstract |
ペリレン系以外の材料として、ポリアセン系分子に注目した。これらの物質の高純度試料を得るためにアルゴン気流下での昇華精製の装置を自作した。条件の最適化により、精製だけではなく、単結晶試料の作成も可能となった。ビオラントレン、ルブレン、テトラセンの高純度単結晶試料を得た。また、ペリレンにおいては通常とは異なる結晶多形品(ベータ型)を得ることに成功した。 フェニルキサンテン系色素(エオシンなど)の会合体形成に注目し、酸化チタンナノ結晶膜への吸着、会合特性を詳細に調べた。エオシンにおいて、吸着時の条件を変えることで異なる会合体の形成を見出した。また吸着挙動が溶媒で大きく変化することを見出し、会合体構造の制御の可能性につながる結果を得た。これらの結果をまとめた成果を発表した。 励起子分裂過程は外部磁場の影響を受けることが知られている。そこで様々な励起波長で高い感度で蛍光の磁場効果を計測できる装置を構築した。上記のポリアセン単結晶において磁場効果の有無、つまり励起子分裂過程について系統的に調べた。ルブレンでは大きな磁場効果が得られたため、類似化合物での探索を行ったが、大きな磁場効果を示す物質は見出されなかった。 太陽電池への応用可能性を考えるため、酸化チタンナノ結晶膜にポリアセン粒子を分散吸着させた基板を用いて、実際に色素増感型太陽電池を構築した。性能は非常に低いものの、太陽電池として動作することが確認された。これは有機ナノ微粒子が酸化チタンに電子を注入する反応が起こっていることの直接的な証拠である。特に励起子分裂を効率よく生じるルブレンが比較的高い性能を示すことを見出したことは興味深い。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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