2010 Fiscal Year Annual Research Report
閉環メタセシスを利用するビアリール化合物合成法の開発
Project/Area Number |
22550029
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 和弘 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60375607)
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Keywords | オレフィンメタセシス / 閉環 / ビアリール / エンインメタセシス / ルテニウム / グラブス触媒 |
Research Abstract |
ビアリール化合物は、液晶を始めとする機能性材料や生理活性物質、錯体触媒の重要な構成要素など多くの用途に利用らさている重要性の高い化合物であるが、現在主として用いられているこれらの合成法は二分子の芳香族化合物をカップリングさせる方法である。しかしながら、原料の芳香族化合物の入手が容易ではないために、本手法で合成することが困難なビアリール化合物が多数存在する。そこで、このような需要の高いビアリール化合物の合成法を刷新する全く新しい方法論の開発を行うことを目的として本研究プロジェクトを開始した。具体的には、芳香族化するための仕掛けを施した鎖状基扞に対して閉環エンインメタセシス(RCEM)/閉環カレフィンルセシス(RCM)の連続環化反応を行ウコトデビアリール化合物の合成を目指して研究を行った。 その結果、思惑通りに研究が進展し、分離困難な副生成物を全く排出せず単一生成物のみを与える強力なビアリール化合物の直截的な合成アプローチを開発することに成功した。本手法は従来のクロスカップリング反応等によるビアリール化合物合成法の合成戦略とは全く異なっているため、これまでにないビアリール化合物を供給することができる。 一方、本反応系は光学活性なメタセシス触媒を利用すれば、不斉反応へと応用できる可能性がある。そこで、光学活性なルテニウム触媒を用いて実際に反応を行ってみたところ、10%eeの軸不斉ビナフチル化合物が生成することを見出した。このように当該年度においては、本反応系による軸不斉ビアリール化合物の不斉合成が潜在的に可能であることを示す重要な知見も得ることができた。
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Research Products
(5 results)