2012 Fiscal Year Annual Research Report
オルト官能基化フェニルイソチオシアナートを用いるヘテロ環合成
Project/Area Number |
22550035
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小林 和裕 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90161976)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イソチオシアナート / アクリジノン / ベンゾナフチリジノン / 4H-3,1-ベンゾチアジン / 1,7-ナフチリジン-2(1H)-チオン / 2H-3,1-ベンゾオキサジン-4-チオン / インドール / イソニトリル |
Research Abstract |
実施計画書に記載した通り、9位にチオカルバモイル基を有するアクリジン-9(10H)-オン誘導体の合成を達成した。アニリン類と2-ハロベンズアルデヒドから、2-(2-ハロベンゾイル)フェニルイソチオシアナートとし、第二級アミンとの反応の後、環化させる方法である。アザ類縁体である、ベンゾ-1,8-、-1,7-および-1,6-ナフチリジノン誘導体も、1-、2-および3-クロロピリジンと2-(ホルミルアミノ)ベンズアルデヒドから、同様に合成できた。これらの各誘導体の初の合成例である。 また、3位にスルフィニル基またはスルホニル基を、3位にアルキルスルファニル基を有するインドール誘導体を、2-アミノベンジルアルコールを出発原料として合成できる方法を開発した。本誘導体の従来の合成法に比べ、極めて簡便な方法である。 次に、4H-3,1-ベンゾチアジンの2-イリデンマロン酸誘導体を、o-トリルイソチオシアナート類から容易に合成できる、(2-ブロモメチル)フェニルイソチオシアナート類と、活性メチレン化合物との反応により合成できることを明らかにした。本誘導体の初の合成例である。 さらに、3-アミノピリジンから容易に得られる、4-(1-アリールエテニル)-3-イソシアノピリジンから、対応するイソチオシアナートを経由する、4-アリール-1,7-ナフチリジン-2(1H)-チオン誘導体の合成に成功した。本誘導体も今までに全く合成されたことのない誘導体である。 実施計画書に記載した以外にも、アリール(2-イソチオシアナートフェニル)メタノンとエステルまたは第三級アミドのリチウムエノラートとの反応で、1,4-ジヒドロ-2-チオキソ-2H-3,1-ベンゾオキサジン-4-酢酸誘導体を合成できることを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した合成計画の内、殆どは計画通りに達成したが、一つだけほぼ終了したものの、仕上げの段階であり、完成していない。しかし、計画以外に一誘導体の合成法の開発を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ほぼ計画通りに合成法の開発が進んでいるが、仕上げの段階であるものが一つある。これを早期に完成させ、その後、できるだけ沢山の有用へテロ環誘導体の合成法の開発に向けて努力したい。
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