2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ環で機能化されたキラルフェロセン異原子配位子の創製と触媒作用
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22550044
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
福澤 信一 中央大学, 理工学部, 教授 (50173331)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機化学 / 合成化学 / 不斉合成 / 不斉触媒 |
Research Abstract |
平成24年度は,トリアゾール骨格を有する独自のキラルフェロセニルホスフィンClikcFerrophosのP,Sー配位子ThioClickFerrophosを合成し,これと酢酸銀との錯体を触媒として用いて,ジフェニルグリシンイミンとニトロアルケンとの不斉共役付加反応と不斉 1,3-双極子環化付加反応に関して研究を行った。反応はアミンの添加に大きな影響を受けることが明らかとなった。すなわち,アミンを添加せずに反応を行うと,ニトロアルケンへの共役付加反応が優先的に進行して,gamma-イミノニトロエステルが生成する。反応は,ジアステレオ選択的に進行し,イミノ基アルケンの置換基がantiの生成物のみが生成する。反応は高エナンチオ選択的進行し,最大98% 鏡像体過剰率でanti体の生成物が収率良く得られた。一方,アミンを添加して反応を行うと,環化付加生成物が優先して生成する。この場合も,endo体の生成物が単一のジアステレオマーとして生成した。光学収率も最大98% eeと極めて高い。 グリシンイミノエステルからアゾメチンイリドを発生させるには通常外部からアミンを添加して行うが,アミンを添加しないでも反応が進行するこの触媒系はユニークである。すなわち,酢酸銀のThioClickFerrophos 錯体において,銀がルイス酸,酢酸イオンがルイス塩基として作用している。このような触媒系は,両性触媒として定義される。両性触媒としての作用を,フェル二グリシンイミノエステルとニトロアルケンとの反応においても確認をした。すなわち,酢酸銀/ThioclickFerrophos触媒だけで,上記の反応基質は環化付加反応を起こし,対応するプロリンエステルが高収率,高エナンチオマー過剰率で生成した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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